2011年03月08日

雪と死

 昨日は雪が降りました。しんしん。
 この雪が原因で(特に道路で)事故がちょこちょこ起きたみたいですが、わたしは雪景色は好きなのです。
「寒いの苦手なくせにぃ」
 なんかこう、雪降ってて全体的に視界が白っぽいとさ、世界を埋め尽くしてる人間臭さを覆い隠してくれてるような気がして。
 似たような理由で雨模様もちょっと好き。こちらは雑踏を隠してくれます。
「なんだか社会不適合者みたいなセリフですねぇ」
 だまらっしゃい。

 そんなことより雪といえば、雪の積もった風景はある意味で死の世界に見えるわけですが。
「あれは春まで眠っているだけですぅ」
 眠りは死のメタファーだもんね。
「再び生まれるために休んでいるんですよぉ。死神にとっては忙しい時期なんですぅ」
 で、この前ちょっと診察待ちが暇だったので目の前にあった科学雑誌ニュートンを読んでお勉強をしたのです。
「似合いませんねぇ」
 一言でばっさり斬り捨てるんじゃありません。
 凄い簡単に言うと、細胞って、ガタがきたりガンになったり寿命がきたりと悪い性質を持ったときには、全体に悪影響が出ないように自滅するんだそうです。アポトーシスとかアポビオーシスというのだけど。
「生命を未来に繋げるために、ずっとずっと昔に生物が発明した『死』ですね。わたしたち死神が初めて生まれたのもちょうどその頃ですぅ」
 え、おまえら何十億年も昔からいるの?
「ハジメ先輩はその頃からずーっと死神しているそうですよ。長い間独りでやってたから大変だったって」
 ……ニュートンよりおまえらの存在のほうが謎めいてて気になってきたな。
posted by きさらぎ at 12:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記
この記事へのコメント
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/43739024
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック