2011年03月29日

放射能はどう身体に悪いのか(1)改

 3/30追記。いい解説ページがあったので、リンク張っておきます。

放射線がカラダに与える影響には、2つのタイプがある - team nakagawa
http://tnakagawa.exblog.jp/15130220/


 見直すとみょんに長かったので、簡潔にまとめます。

○(一般に言われる意味での)放射能とは

 放射線と放射性物質をひっくるめて放射能と呼ぶことが多い。
 放射性物質から出るものが放射線。

 放射線は宇宙から微量に降っていて、世界平均で年2.4ミリシーベルトは誰でも被曝しているそうです。
 なお世界には、放射線が沸いて出てくる土地で生活している人たちもおり、その人たちの被曝量は年10.2ミリシーベルトになるそうですが、ぜんぜん健康どころかある種の病気はむしろ少ないとか。

○放射線の危険1:短期的に大量に被爆した場合

 強い放射線を一気に浴びると、細胞のDNAがボロボロになってしまい、細胞が機能しなくなります。そうやって死ぬ細胞が多くなると、身体の器官が機能しなくなり、果ては死んでしまいます。
 ただ、これほどの放射能を浴びるのは宇宙空間や放射能事故現場付近などに限られ、日常生活ではまずありえません。。
 福島第一原発事故処理で作業する英雄たちについては心配です。

○放射線の危険2:長期的に浴び続けた場合

・DNAに放射線が当たると、当たった箇所が壊れる。
・人間はDNA修復能力が高いので、壊れた箇所が少なければ治すことができるが、たまに修復失敗する。
 →修復失敗すると何が起きるかは故障した箇所によるけど、一番まずいのはガン細胞になること。
 →ただし、実はガン細胞自体は健康な人の身体にも発生する。免疫機能が退治する。
・ガン細胞が増えすぎたり免疫が弱ったりすると、退治が追いつかなくなる。
 →これがガンという病気。

 というわけで、放射能の長期被曝はガンのリスクを上昇させます。ただし、ガン細胞は放射線以外の原因(活性酸素など)でも発生するので、被曝量が微細な場合は被曝以外の要因との区別が難しい。
 しかもです。

・放射線はガン細胞、細菌、ウィルスのDNAも壊す。
 →これらの細胞は正常な人間の細胞よりもDNA修復力が弱い。
・つまり、正常な細胞も少しやられますが、異常な細胞や病原体はもっとやっつける。
 →ラジウム温泉(≒微量の放射線)が健康にいい、と言われる理由はコレ。

 などという事実もあって、ゼロにすればいいとも限らないみたいです。

 一応、色々な研究の結果では、被曝量100ミリシーベルト以下ではガンの発生率に影響が見られないそうなので、つまり約100ミリシーベルトまでは安全と考えることができます。
(国家基準だと一般人は年1ミリシーベルトまでとなっているので、相当の安全率をとっていることがわかると思います)

 そうは言っても、この安全値ぎりぎりまで浴びたいとは思いませんが……
 参考値として、病院でCTスキャンを一度受けると被曝量は20ミリシーベルトです。これで具合が悪くなったとかガンになったとかいう人を、わたしは聞いたことがありません。
posted by きさらぎ at 12:56| Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス
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